「愛 ~これが私の生きる道~」
私はデシェンヌ型筋ジストロフィー症という難病を抱えています。治療法はありません。24時間、人工呼吸器を使っています。今は病院に入院しながら執筆活動しています。
私は難病を抱えていますが、楽しく幸せに暮らせると思います。そのように前向きに考えられるまでには時間が掛かりました。
私が高校を卒業したときに、夢や目標が描けませんでした。難病を抱えている自分には何もできないように思いました。体を弱っていく姿を受け入れることしかありませんでした。
私が辛かったのは、同世代が大学に通ったり就職して働いたり友達と遊んだりしている姿を想像するだけで羨ましくて涙が溢れました。それと同時に私は何のために生きているのか分からなくなりました。
私の周りには支えてくれる人がいました。医療スタッフが親身になり、話を聴いてくれました。独りで生きているのではないと思いました。とても心強かったです。
次第に私が生きている意味が分かりました。それは難病を抱えている日常を書くことだと気づきました。難病を認めて、同世代を羨ましく感じることを認めて、私にしかできない夢や目標を持ちたいと思うようになりました。
私には、詩を書いたり作文を書いたりすることが得意です。悲しかったことや嬉しかったことをありのまま書きました。
とある介護ヘルパーさんが私の文章を読んで「僕は今まで筋ジストロフィー症の方と関わったことがなくて、生きる姿は本当に勉強になります。石井さんのこの想いを若い奴らに聴いて欲しいぐらいです。活動を続けて下さい。」と言って頂きました。
私にとって当たり前のことを当たり前に書いているだけでしたが、色んな人に影響を与えられることを学びました。そのとき私の夢と目標は難病を抱えている日常を文章で伝えることを決意しました。
確かに難病の体で生まれたことは不幸だったかもしれません。けれど、今ここに存在していること自体、幸せだと思います。誰と比べることなく1人の人間としてかけがいのない価値があります。人を支えたり頼ったりして、生きることができます。
私がここまで成長できたのは、医療スタッフや親友やボランティアや応援してくれる人がいてくれたからです。本当にありがとうございます。私にとって愛とは人と人の想いや気持ちをありのまま受け取ることです。そうすることで、楽しく幸せに歩いていく道が切り開くことができるからです。